オーラルリハビリテーション(咬合再構成)とは
2022年01月11日
「咬合再構成って何?」
「咬合再構築ってどんなことをするの?」
⻭医者で矯正治療や審美治療の相談をしたら、咬合再構成や咬合再構築を勧められる場合があります。ただし、あまり聞き慣れない⾔葉なの で、「それは何?」と⼾惑ってしまう⽅も多いでしょう。
咬合再構成も咬合再構築も同じ意味を⽰す⾔葉で、⼝腔全体を包括的に考えて⾏う⻭科治療のことです。
咬合再構成とは
咬合再構成は、冒頭でも触れたように⼝腔全体を包括的に治療することです。
咬合再構成はどんな考え⽅で、何をゴールとして⾏うのかを詳しく説明します。
咬合再構成は⼝腔全体を1単位と考える
⻭の治療は通常、⾍⻭ができれば⾍⻭治療、⻭並びが悪ければ矯正治療というように、個別に対応するのが⼀般的ですしかし、それでは弊害が起こる場合があります。例えば以下のような例があります。
・⾍⻭は治ったけれど全体の⻭並びは悪いまま
・⾍⻭は治ったけれど顎が痛い
・矯正治療が終わって数年後に咬み合わせが悪くなった
ほとんどの⻭医者の場合、将来を⾒越して治療をしますが、中にはその症状だけを改善するような治療をする⻭医者もいます。すると、例に挙げたようなトラブルが発⽣してしまうのです。
咬合再構成は⼝腔全体を1 単位として考えるので、機能⾯と審美⾯の両⽅が最終的に理想の状態になるように様々な治療をしていきます。
咬合再構成(オーラルリハビリテーション)の⽬的は咬み合わせを改善すること
咬合再構成はオーラルリハビリテーションとも呼ばれています。といっても、怪我や病気をした後のリハビリテーションとは少し異なります。咬合再構成( オーラルリハビリテーション) の最終⽬的は、咬み合わせを改善することです。咬み合わせは全⾝に強く影響します。
咬み合わせが悪いと左右の顎⾻のバランスが崩れます。その影響で背⾻が歪むと、肩こりや頭痛、腰痛などを引き起こします。咬合再構成で上下の咬み合わせのバランスを整えることで、⻑期的に⻭や体全体の健康が保てるようになるのです。
そのため、咬合再構成はオーラルリハビリテーション(全体的な改善)と考えられています。
咬合再構成(オーラルリハビリテーション)で⾏う治療とは?
咬合再構成は⻭周病や根管治療、矯正、補綴、義⻭などあらゆる分野の⻭科治療を組み合わせて⾏います。
必要な治療は⼈によって異なりますが、まずは⾍⻭や⻭周病などを調 べ、必要な治療をトータル的に考えて、⼤きく以下の順番で⾏います。
1歯周病治療
2虫歯治療
3矯正治療
4インプラント治療
5補綴治療
なぜこの順番でするのかというと、効率よく⼝腔全体を整えて最終的な咬み合わせにできるからです。
咬合再構成( オーラルリハビリテーション) は、よく家のリフォームに例えられます。ここでも、家のリフォームになぞらえて説明していきますね。
1 ⻭周病治療
家をリフォームするためには、家の中を⽚付けて環境整備をしなければなりません。まずは家具家財をどけて掃除し、リフォームのための環境を整えます。
⼝の中の場合は、⻭周病があれば最初に⻭周病を治療します。⻭周病は⻭や⾻を溶かしてしまうため、⻭周病菌が⼝の中に存在するとほかを⼯事する先から崩れていってしまうからです。
家の中に不要なものがあるとリフォームがうまく進まないように、⼝の中に⻭周病があると次の段階の治療がでかないので、まずは⻭周病から治療していきます。
2 ⾍⻭治療
家の中の環境が整ったら、次は古くなった設備の修復です。傷んだ柱があると柱が倒れて家全体が倒壊する危険があるため、古くなった柱を修復します。
⻭を柱に⾒⽴てると、修復が必要な柱( ⾍⻭) はシロアリ被害や経年劣化で傷んでいる状態の⻭です。⾍⻭がある場合は家全体( ⼝腔全体) が倒壊しないように、修復( ⾍⻭の治療) を⾏います。
3 矯正治療|傾いた柱を修復する
家の中で柱が傾いていると、全体のバランスが崩れて家をきちんと⽀えることができません。壁も屋根も傾いてしまいます。
⻭も⻭並びや上下の咬み合わせのバランスが悪いと、修復( 矯正治療) が必要です。⻭が前後や斜めに傾いている場合は、矯正治療を⾏いま す。
4 インプラント治療
家をリフォームする際に強度が⾜りない場合は、柱を追加して頑丈な家にします。
⼝内でも、⻭周病や事故などで⻭を失ってしまった場合は、インプラント治療を検討します。
インプラント治療とは、⻭ぐきの下の⾻に⼈⼯的な⻭の根を直接埋め込み、その上に⼈⼯⻭をつける治療のことです。
5 補綴治療
家の構造が整ったら、最後に仕上げで内装や外装を施します。内装は快適に過ごすため、外装は⾬⾵から家を守るために必要です。
⼝内の場合では、内装や外装は補綴治療にあたります。⽋けている⻭や被せ物が取れたままの⻭があれば、補綴治療( 被せ物) を⾏って隙間をなくします。補綴治療をすると細菌が⼊りにくくなって⾍⻭や⻭周病になりにくくなる他、ブラッシングもしやすくなります。
咬合再構成をする際の良い⻭医者の選び
咬合再構成は、お伝えしてきたように様々な治療技術を必要とします。そのため、医師は豊富な治療経験の他、あらゆる⻭の治療や⾻格などの
⽣体的知識も持ち合わせていなければなりません。
咬合再構成をしている良い⻭医者を選ぶには、以下のようなポイントを抑えることが重要す。
ホームページで咬合再構成をしていると明記している
咬合再構成の症例がたくさんある
学会や研修会などに頻繁に参加している
⾍⻭・⻭周病・根管治療・矯正治療・⼼療⻭科をしている
咬合再構成の⽬的や意味をしっかりと把握している
咬合器、CT機器、精密顕微鏡などの設備がある
料⾦や治療⽅針について詳しく説明してくれる
咬み合わせの悪さが引き起こす全⾝への悪影響
顎は⾝体の重⼼のバランスを保っています。そのため、咬み合わせが悪いと全⾝の⾻格にも歪みが⽣じます。その結果、肩こりや頭痛、腰痛、膝痛などを引き起こします。
全⾝のバランスの崩れは、不眠やめまいなど原因不明の体調不良の原因でもあります。
咬合再構成(オーラルリハビリテーション)でお⼝を理想の状態に!
咬合再構成は、⼀部分だけでなく⼝腔全体をトータル的に考えて⾏う治療です。咬み合わせを中⼼とした治療を⾏うことで、⻭の機能だけでなく審美的にも理想の状態に近づけることができ、⻑期的な健康も⼿に⼊れることができますよ。