庭じまい
2023年09月14日
「庭じまい」とは、管理者の事情や家族へ配慮から庭を整理することを言います。
「残す庭木」と「処分する庭木」を選別し、庭石を除去し、庭池を埋め、庭一面をコンクリートで固めることもあれば、手入れが楽な状態に変化させることもあります。
「終い」とはいえ、時間と労力、そして経済的負担が掛かることです。
それでも庭を維持する為の剪定や消毒・たい肥・除草等の負担を考え、庭の終活とも言える「庭じまい」を行うようです。
庭の規模にもよりますが、庭の維持費は年間15~20万から100万円以上。
眺めれば心安らぐ存在ではありますが、経済的な面だけを考えても管理者の「負担」であることは間違いないでしょう。
私は「庭じまい」が「歯の治療」、特に「インプラント治療」の考え方によく似ていると考えます。
「残す歯」と「抜歯する歯」、「使い続けるインプラント」と「もう諦めるインプラント」…
大切な自分の歯を失い、何とかしようとインプラント治療を決意するタイミングで「インプラントじまい」をすることは考えにくいかもしれませんが、最終的な末路まで考え、付き合っていく必要があるのではないでしょうか。
当院では、特に年配な方とこのような話し合いになることが多く「歯は人生だね…」と呟いた患者さんもいます。
まさにそうだと思います。
歯について思考が深まれば、結果、自身の今後の人生を考えることになるのです。
歯やインプラントを維持には理解力と経済力が必要です。
都度インプラント治療を行ったものの、いざ終おうとした時に困る…という状況は避けたいものです。
開業以来当院が採用しているストローマン社製インプラントの場合、再補綴(被せ直し)や義歯移行が可能な構造ですが、どのメーカーもそうとは限りません。皆さん把握していますか?
「今が良ければそれでいい」という短絡的な考えで安易な歯科治療を繰り返すことは危険です。
慎重に、丁寧に歯科治療を行いませんか。