歯科技工士の危機
2020年09月24日

歯科医療において「歯科技工士」の存在は欠かせません。
特に「咬合再建=咬み合わせの再構築」においては最も重要なポストと言えます。その歯科技工士に今、危機が訪れています。
理由は金属の価格高騰です。
健康保険が適用されるいわゆる「銀歯」は、歯科用貴金属『12%金銀パラジウム合金』が成分で、金12%、パラジウム20%を含んだものとJISで規定されており、他は銀50%前後、銅20%前後、その他金属が数%含まれています。
近頃の情勢の変化により、素材である金属の値が上がり、市場価格の動向に厚生省の診療報酬の見直しが追いつきません。高価な金属代を含む技工料金を安価な診療報酬では賄うことが出来ず、金属を使用する治療を歯科医が避け、結果、歯科技工士の仕事がない…このままでは歯科技工士という職業そのものの存続が危ぶまれる状況とも言えます。
それはつまり良好な歯科治療の存続をも危ぶまれることを指しています。
内容ある歯科治療に対し、歯科医に対する正当な評価、歯科技工士に対する正当な報酬は確保されるべきです。凋落の中だからこそ真の歯科技工士に対する存在意義、評価があって然るべきです。
優秀な人財を失う前に何とか歯科業界全体で「歯科技工士」を支えていきたいものです。
院長 島田 実
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第四次産業革命
2019年12月26日

IoT、ビッグデータ、AIなどの活用した技術が駆使される第四次産業革命の中、歯科医療分野でもさまざまな場面で革新的に変わろうとしています。
当院としては、今年8月に導入した「TRIOS® 3 オーラルスキャナー」を中心とした変化が挙げられます。
導入から4ヵ月…治療の内容から我々の業務内容まで期待以上の変化がありました。
患者さんにとっての変化は、歯の型を取る際、材料の硬化時間として要していた待ち時間がなく、快適に治療を受けることが可能になりました。
(参考:硬化時間 シリコン印象材の場合は8分間、アルジネート印象材の場合は3分間)
嘔吐反射等で苦手な方も少なくないでしょう。
オーラルスキャナーの場合は口腔内を読み取る時間が5分程度必要ですが、途中患者さんのペースで休みながら進めることができ、患者さんへの負担はかなり軽減しました。
次に、我々にとっての変化を紹介します。
これまで、型取りの後行っていた石膏模型を作製し外注先へと送る為の梱包や配送を手配する工程が全て不要になりました。ボタン一つで技工所へデータを送るだけでこれまでと同様の作業が完結です。また、患者さんのお口の中をデータ化して治療を進めることで避けようがない材料の性質から発生するエラーや感染のリスクが無くなったことも良い点だと考えます。
業務内容がよりシンプルになり、時間や材料など今まで気づかなかった無駄が排除出来ました。
→「TRIOS® 3 オーラルスキャナ」の説明はブログを参照ください。
来年も、デジタルワークフローを意識し、治療時間の短縮、無駄の無い健全なワークフローを築くことを心掛けていきます。
院長 島田 実
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歯科技工士とともに学び、美しい歯を目指す
2016年04月12日

治療の現場に居合わせる医師と歯科衛生士が同じことを学ぶことは一般的なことですが、私共の医院では「歯科技工士」も一緒に勉強会に出席するようにしています。最終的な完成品(渾身の歯)…、美しい直線や曲線を精巧な技術で作り上げるのは医師ではなく「歯科技工士」です。互いのコンセンサスが得られないと、良い咬み合わせ、美しい歯にはできないのです。
それぞれの持ち場は違いますが、互いの情報共有によってスタッフの動きが活性化され、より良い結果に結びつきます。
近年、玉石混交であることが原因のインプラントのトラブルは無くなりつつあり、治療自体が成熟してきました。
私共の医院では、開業当初より現在、インプラント界シェアトップのStraumann(ストローマン)社のストローマンインプラントのみを使用しております。そして、すべてのケースにおいて、より安全で正確な手術の為「CADCAMコンピューター支援手術」を行っております。
更に今後、現在インプラントの材質である純チタンから「チタン」と人工関節で使用されている「酸化ジルコニウム」との合金が材料として採用される日が近いよう。強度と骨との結合度が増すことは間違いないでしょう。
ストローマン社製のストローマンインプラントはまた更なる進化が期待されます。
今後も歯科技工士と共に患者さんがより満足して頂ける補綴(ほてつ)治療を目指し、今年も1年切磋琢磨することをお約束します。
院長 島田 実
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